予想外にえらいことになった「ドラマー祭り」
大阪西天満の「いんたーぷれい8」で昨年ドラマー祭りという企画が行われた。
大阪の知り合いサラリーマンドラマーから誘われ、ドラマー6人が参加してフロントとピアノ、ベースは同じでドラマーの違いで音楽がどう変わるかを聴衆に聴かせようという、そんなんに人が集まるのかわからんがやってみるという企画だった。
しかも、参加ドラマーの中にはヨーロッパで活躍する日本人唯一(だろう)ECMミュージシャン
のShinya Fukumori氏やニューヨーク帰りの爆音プロドラマー岸くんとかもいると。
昼の仕事の出張をそこに当てて参加する目論見は外れ、自腹というか普通に私は東京から大阪に出向いた。
1週間前に主催者ドラマーから構成と曲の発表があり、それは皆がなんとなく考えてものとは大きく違った。
・1セット目:サマータイムを順番に演奏。演奏順は直前のくじ引き。
・2セット目:ブルーボッサを順番に演奏。演奏順はじゃんけん。
・アレンジ、譜面用意は自由。ただし事前にフロントメンバー等とリハしてはならない。
各ドラマーはジャズマンなので、まあなんとなく曲の構想を思いながらも物事深く考えずに当日集まった。こんな企画に誰が集まるねん、と主催者ドラマーは気にしてたが、数十人のお客さんで満席大賑わい。おっと…。
ドラマー6人が集まってやあやあとやってると、皆の頭の中で共通の大きな課題に直面することとなった。
「これ、前のドラマーがやったリズムやノリ、雰囲気で同じ曲を演奏するわけにはいかないやんけ…」
これに気付くとECMミュージシャンも含め6人全員がかなり緊張することに。だって今から演奏するのにステージ上でくじ引きして演奏開始で連続なので、考えて来た構想もへったくれもなく、前に演奏した人の様子を聴いて即座に違うアレンジをフロントに伝え、しかも満入りのお客様の前であまりにもカッコ悪いことは出来ないからだ。
とにもかくにもくじ引きから始まった。
私はフリー系アプローチをとる可能性が高いということで、フロントのアルトが初っ端に私と演奏することは極力避けたいとその場で公言してたのに、見事に私が1番くじを引いてしまった。
私もかなり緊張し、バスタム下に置いた水を演奏直前にこぼすなど、あまりそういうことをしない人なのに珍しいミスをして、演奏が開始された。
私以降のドラマーは前に演奏したドラマーパターンからの脱却に苦しみながら、やけくそになったりしながらも異なる雰囲気の演の奏をし終えた。お客さんには全体の行程の面白さも理解されてライブは予想外に一体となった。
とりあえず、6曲連続のサマータイムは終了。
小休憩を挟み、続いてブルーボッサ6曲連続。
じゃんけん勝った人から演奏順番を決めるというルール。こんな企画やらへんかったらよかったとサマータイム終了後に嘆いていた主催者ドラマーがトリになるという、見事なオチ。
サマータイムよりブルーボッサの方が普段演奏するバリエーションは少ないので、これまた難しいことに。しかも、ドラマー側としては1セット目と同じパターンは繰り出せないという悩みを抱えることになった。やってみて気付く直面する問題といったところかw
まあ、そんなこんなでドラマー全員こんなに苦労するライブは空前絶後ということで、元々主催者ドラマーはこれがウケたらシリーズ化してもいいと言ってたものの、「2度とやるかい!」となり、フロント、ピアノ、ベースも「もうこんなんは出来へん!」と初回Vol.1で終了することになったのでした~。あ、お店側はまたやってくれと。。。( ^^) _旦~~