批評家のジャズ本も面白い
評論家というのはどういう価値を世に与えるのだろうか。
昔はそういうことを思ったり、マイルスが「評論家というものは何もしていないのに等しい」とか言ったり、問われると深く考えたことないとわからないだろう。
これをテーマにした映画が「レミーのおいしいレストラン」。
一見、かわいいグルメなネズミの子供向けアニメに思えるが、評論家の役割とは何かということをこれ以上ないわかりやすさで言っている。
「100年のジャズを聴く」という本を買った。
3人のジャズ評論家の語りで構成されている本だが、一人ひょんなことからちょい知り合いになったこともあって手にとったのだが、かなり面白い。
ミュージシャン同士はしょっちゅうジャズ談義するので、評論家の談義ともかぶるとことも多いが、ミュージシャン視点と歴史的繋がりを考えるコンテキスト上の進化を研究するかっこうになる評論家とは視点が異なるので、新たな発見もすごく多い。
ミュージシャン側ではあまり重要視していないものが明瞭に体系立てられていたり、評論家がクソというものが演奏者視点では重要なターニングポイントということがあったり。
知識が体系化されることで、演奏上新たに発見していったり注目していなかったものに目を向けたりというのは意味も大きいと思った。
ちなみに最近はほぼ絶滅種になったが、ジャズライブハウスに常連でいる評論親父が昔はどこの店にも一人はいた。
私がジャズを始めた頃、アマチュアジャムセッションやっていると、
「チャーリーパーカーは知っとるか? あいつは逝っとる。君らの演奏は話にならん」
ということを毎回言う嫌な爺さんがいた。なんだか懐かしい。。。