リーマンジャズドラマーのブログ

サラリーマン兼ジャズドラマーの思うところ

ドラム屋さん

高井戸というか久我山というか、井の頭線富士見ヶ丘駅からちょっと歩いたところにゲートウェイというドラムショップがある。

 

(この黄色ヘッドの赤胴ベードラオブジェがなんとも言えない雰囲気を醸し出している)

 

数年前からたまにシンバル買ったりしてたが、一年前にツイッターで「グレッチの18インチベードラの中古3点セット出た~」とあったので、すぐ試奏するからと連絡して押さえてもらい、即座に気に入って購入した。

ジャズドラマーとしては18インチのベードラは外せないセットなのだ。で、そんなに出回るものでもない。

 

しばらくしてまたも「グレッチのウッドスネア中古出た~」とあったのでまたすぐ連絡して店にあった新品グレッチスネアウッドと比較して悩みながらも少し角が取れたサウンドの中古に決めて購入した。

 

すごく気に入って使ってる。スネアは度々ジャズクラブに持っていきライブで使っている。

音がいいと演奏しててもそれだけで気持ちが入る。

 

半年ぐらい行ってなかったので、ふと思い、年末の挨拶ということで昼の仕事帰りに寄った。

店長もいらっしゃって、「やーやー」と。

グレッチどうですか?と聞くので「気に入ってますよ~」って。

 

小さなドラム屋さんだけど、いわゆる洗練された都会の店と違う職人肌の温もりがある。

なんでも時間気にせずに相談でき、グレッチを選ぶ際は店にある小ぶりなスタジオ兼試奏室で二時間ぐらい吟味させてもらった。

都心のドラムショップだと、次のお客様いますので…、と焦らされてしまう。

 

今日はフットペダルの名器「スピードキング」の1950年代の中古を2台リペアしたばかりだ、と言ってまだ値札もついてないものを「試奏してみます?」と言うので踏ませてもらった。

ジャズ始めた頃の大阪の店にあったのが古いスピードキングで、めちゃ踏みにくいイメージもってたのだが、全然そんなことはなかった。ただビンテージなのでどうしても部品同士がカチャカチャ音を立ててしまう。

小さい箱のジャズクラブでバラードだと、ちょっとキツいかも?

しかし、踏み心地は面白かった。

 

「スピードキングってオタク的に集めちゃう人いますよねぇ」、と振ると店長自身がそうで3台持ってるとw

そういう方が店長やってると、そりゃ皆集いますよねぇ。。。

 

移転十周年で太い芯のシャーペン作ったので、といただいた。

譜面書くのに適しているのだそうな。なるへそ。

 

私も作ったCDを渡した。何曲かそのグレッチで録音してるし、ジャケットもそのグレッチだ。

 

デスメタルとジャズ?」と店長。

 

すると若い女子スタッフが「ええ~、私デスメタル大好き!」といきなり会話に参入。

かけてよいですか、と店で店長がCDかけると女子スタッフが、かっこいい、これいい、これ面白いです、と。

 

 

その子にもCDをおっそ分けすることに。すごく感謝されて、CD製作談義に。

ドラムの録音いいですねぇ、と。

(この録音です↓)

 

 

いやいや、3万円のレコーダーでオープンマイクとインマイクの4chでバランス取るもののイコライジングはしてませんよ、と。

 

そんな会話しながら、なんとその女子スタッフは私が録音したスタジオをよく利用する、けっこうご近所さんだったのだ。

けっこう通うのたいへんなんです、と店長。

まあ直線距離は近いが、電車だと通りたくない渋谷を通ってくの字に移動することになり1時間はかかるからねぇ。

 

そんなこんなでシンバルも相談して店長お勧めの、でも私なら絶対選択肢に入らないメーカーのものを少し叩かせてもらって、「なるほど」と新たな知識ももらったり、いやいやアットホームな居心地いいドラム屋さんなのでした。

ドラム練習で新鮮な感覚が…

昔はルーディメンツとかドラムの基礎練習をやっていたこともあるが、ある程度叩けるようになるとどうしてもやらなくなってしまう。

 

先日、マークジュリアナのライブを観に行った際に、少し会話したくてあえて彼の日本語版が出たばかりの教則本を買って持って行った。

ライブ終了後、この本にサインしてもらったのだが、この教則本を少し練習してみると今までとは違ったリズム観点が脳内で構成されることに気付いた。

 

 

言ってることはシンプルだ。

書いてあることもシンプルだ。

書かれているパターンも至極シンプルだ。

 

8分音符と3連と16分音の繰り返し。基本それだけ。

youtube動画でも彼のレッスンがある。まさにこれ。

 

 

でも、きっちりやろうとすると実はかなり難しい。

3連が交っているのがミソであり、人間の頭の感覚はそんな簡単にこれをひょいひょい乗り越えれるものではないのではなかろうか。

 

彼自身、未だにいつも練習してて調子いいときはピッタリはまると何かで言っていた。逆に言うと調子悪いとあれほどの人でもハマらないことがあるわけだ。

 

昨日、少しテンポを変えながらメトロノームに合わせたりメトロノームハズしてやったりして繰り返していると、頭の中でその3へ行ったり16に行ったりこまめに変化させる感覚が少し構成されだしているような気分になった。

 

これは大発見だ。今更ながら、ドラム35年やっててそういう脳内の感覚を発見するのは驚きであり、新鮮である。

あとは、この感覚を身につけたらライブの実践でどこかで自然に出るのを待つということだが、いつまでかかるかわかりません~。

楽器選定

楽器の選定は難しい。

ドラムの場合、とくにジャズだとアコースティックなマイクに乗せない音を求めるので、粒立ちや倍音がどのぐらいかをドラムショップで近いものと比較させてもらいながらじっくり選ぶ。でも外れることもある。

 

先ほど、息子がやってるトロンボーンを知り合いミュージシャンが何本か使わないのがあるので、ということで受け取りに行って来た。

ボントロの楽器選びなどを聞いて、まあドラムと近いようなところもあると思った次第。

 

デッドな環境の試奏室で吹くと、素晴らしく鳴るので気に行って購入するも、ライブで使うと抜けがいまいちで…、みたいな。

マウスピースも多様化しているので、アドバイザーなるサービスもあると。

イメージを伝えると、このマウスピースがよいのではないかと勧めてくれるそうな。外れなかったらしい。

 

高級な楽器がすべてよいかと言えばそうではない。

 

1年ほど前に、芸術的なサウンドを出すTerje Isungset(テリエ・イースングセット)のライブに行ってきた。

 

 

センスが素晴らしく私は大好きなのだが、メジャーではないのでお客さんは少なくホームライブみたいな超贅沢空間だった。

で、ライブが終わって楽器の話をした。

 

彼が使っているスネアはどこで拾ってきたのかというぐらいボロボロで古く、けっして高級な部類でないものだった。

「どこでこれを見つけたのか?」と聞くと、とあるスタジオにあったと。

それまでは新品のいいスネアを持っていたらしいのだが、スタジオを経営するドラマーに交換してくれないかと、尋ねたら即答で「こんなボロボロと交換でよいのか?」と。

 

相手は「ホントかいな?」、とめちゃ喜んで、自分は探しても見つからないような古いボロ楽器が手に入り、二人ともめちゃハッピー、ラッキーだったと。

結局、どういうサウンドを出したいかでその人に合った楽器は特定されていくわけで、けっしてお金をかければよいというものではない。

Isungset氏のように、大部分がオリジナルで自然にあったものを自分で加工しているという方は相当珍しいが。

職業人としてのミュージシャン

バブル期に解散した日本の有名ビッグバンドのメンバーとここ数年ライブをやっている。

解散時若手トロンボーン奏者だった方で、Fukadaさんと言って素晴らしい音色を出す。

当時の演奏はyoutubeで観れるが、タイトなリズムであらためて素晴らしいビッグバンドだ。

 

 

私は譜面読めないので、ビッグバンドは出来ない。

一度手伝ってと言われて社会人ビッグバンドのサブドラマーとして参加させられたことがあったが、ビッグバンドのドラム譜面はまた特徴あってキメがない部分は小節のバーが狭く、いちいち演奏とともに追っかけていけずにロストするし、キメも譜面慣れてないとその通りに叩けないので、サンプル音源を覚えて臨むしかないという苦しい状況。

それでも練習では間違えると、みなさんの白い目がいっせいにこちらに向くというプレッシャー。

 

とてもではないけど無理なので、1度ライブに参加して退散させていただいた。

 

バブル崩壊に向かう時代、まだテレビの音楽番組はビッグバンドがバック演奏をしていた。

当時の話をFukadaさんに聞くと、昼間にテレビ仕事。

まずリハやって、ボーカルと音合わせして、カメラワーク確認のためカメラリハやって本番。うわっ、たいへん。

そして夜はライブハウスでビッグバンド自身のライブをちょろちょろやっていたそうな。

厳しい世界で譜面間違えると叱咤され、というような。

 

「完全に職業人としての音楽ですね」

 

そう聞くと、まさにそう!、と。

いやー、ちょっとそれは私には出来ない世界だなぁ。音楽好きとは言え、それはガンジガラメに思えてしまう。

つまり、私が好きだという楽器演奏はかなりてきとーな世界であり、甘いところなのだ。趣味か。。。orz

 

ちなみにそのビッグバンドは1989年に解散している。

チェッカーズが出てきて「バンド」が音楽番組の多くを占めるようになるとビッグバンドは要らなくなり、維持できなくなったということだった。

 

 

閑話休題

 

今、どういうわけか大学生の長男が学生ビッグバンドに入り、なぜかトロンボーンをあてがわれた。

大学入学で初めてトロンボーンを吹くわけだから、サークルの楽器を借りててまだまだペーペーなのだが、1年経過するとみな自分の楽器を欲しくなったりするようだ。

トロンボーンはそんな高い楽器ではないので、15から20万ぐらいかなぁ、と。

 

ということで、某有名ビッグバンドのそのFukadaさんにどういう楽器がよいのか(ドラム以外わからないので)聞くと、たくさんもってて使ってないのがあるので永遠に貸してあげると言う。永遠に貸すってもらうってことやないですか。。。

まあそうは言ってもいい楽器だし申し訳ないので、長男本人が気にいったら中古品として買うことにした。

 

今度待ち合わせて楽器をとりにいくことに。ありがたいことです。

 

きちっとした往年ビッグバンド経験者で、コンボのジャズプレイもオーソドックスなものをなんでもこなすFukadaさんに私のCDを渡したら、以外にもこれがドストライクだったらしい。わらかんもんですなぁ(笑)。

 ↓

 

久々にジャズライブで気分転換

昼の仕事して、夜ジャズライブやっていると睡眠不足とジャズも慣れてしまっているので、モチベーションを上げるのに苦慮する場合がある。

それでよいわけはなく、演奏へのモチベーションはいろんな観点で気合を入れるのだが、久々に気分転換みたいな要素が濃く表われた。

 

バブル崩壊前後、社会人になったばかりで同時にジャズを始めた頃、昼はシステムのSE職。

今もたいがいSEは現代の土方みたいな働き方も多く見受けられるが、当時は働き方改革もクソもなく、超長時間労働だった。

 

毎日ほぼ終電、土日はどちらかは必ず出る生活。システム変更作業は夜間しか出来ないパターンは多いので、昼夜反転甚だしいペーペー若手時代であった。

若いので睡眠不足はなんのその、朝まで客先でシステム変更作業を実施し、ホテルに朝7時頃チェックインし同僚とめざましテレビを観ながらビール飲んで「今頃会社では朝礼しとるで、ハッハッハ」と、それで12時に会社に出社するという、これを月~金まで連続とかいう生活をしていたのだ。

 

ちなみに当時勤めていたのは名だたる東証一部上場大手メーカー技術系企業です。でもそういう状態は普通だったわけで(笑)。

 

そんな中、アマチュアジャズのセッションやる店に通い出したのだが、昼会社で仕事して、深夜の夜間作業に入る前にジャズの店寄ってちょいと叩かせてもらって、なんてこともしてた。これは劇的気分転換になり、タフな仕事もナチュラルハイになりフレッシュな気持ちになってたのはよき想い出だ。

深夜作業する客先のビルとジャズの店が徒歩5分以内というのも妙な状況であった。

 

今は昼の仕事では立場も違うので面倒な管理する側になってしまったのだが、まあもちろんスムーズに事は進まずにトラブルや調整事は多々ある。某日本一有名な建築家が「華やかな仕事に見えるかもしれないが、調整調整で90%は面倒な調整仕事なんだ」と語っていたのと同じで、「もう…」ということは多い。

 

そういうことが連続して発生し、先日はそのさなかにジャズライブがあった。

久々に気分転換を味わったのだ。まあ悪いものでもないのかもしれない。

 

お客さんも多く、わーっと喜んでウケてたので、それはそれでよかったことにしておきます。。。

常に煮詰まっているような気がする

ジャズライブをやってもyoutubeにヘンなものをアップしようと作っても、創作活動中は自分の内面からモチベーションが湧き出ているが、作り終えた瞬間過去のものとなり、煮詰まったような状態になる。

ライブの場合は刺激的なメンバーとユニークな楽曲を演奏するときに創造的になり得るが、たいていは過去のジャズ演奏のトレースをしているような感じで、創造的なことはあまりない。

 

ジャズの場合、相手に応じて演奏をその瞬間に変化対応させていくのでクリエイティブと思われているが、ほとんどの場合は過去のジャイアンツがやったフレーズや気持ちよいミュージシャン同士の応対をトレース表現しているようなことが多く、本質的には創造的ではない。

過去のストックフレーズでの即時対応力を競っているような感じか。。。

 

もちろん、個々人のリズムのタイミングや共演者同士の間合いの妙による心地よさは音楽的には素晴らしいものが出ることもあり、これはこれで追及するべき領域でもあるのだが。

 

 

近所に岡本太郎美術館がある。近所と言ってもチャリで2つ山を越えねばならないのでしんどいが、行こうと思えばすぐ行ける距離だ。

煮詰まった感があると、たまに行く。

 

企画展で岡本太郎作品にプロジェクションマッピングなどが開催中だ。

岡本太郎は芸術はすべて無条件で無償であるべきだ、とパブリックアートの意義を唱えていた。

 

その思想だと…、と、ふと思い会場内外の立て看板を見てみると写真OK、SNSアップOKと記載してある。

さすが本人の意志を汲んであるわけだ。

 

「樹人」という有名な作品にプロジェクションマッピングをしていた。この造形物は形が複雑だが、3方からのマッピングは見事で作品を違うかたちで再構築するような演出になっていた。新たな価値を加えてある。すごく面白い。

ただ、音楽が美術館のものはシンセとサンプリングでどうしても似たような浮遊する感じにカツンと衝撃音が入るパターンに陥りがちで、そこに作品への血肉躍るような躍動感は薄いと思えてしまった。

 

ならば、というわけではないが、フリーのドラムを重ねてしまえと映像を作ってみた。

 

 

展示会場では3Dの立体がすごくわかるが、録画すると平面に見えてしまい、さらに暗い黒のバックに重ねていくと、昭和のアート映像みたいになってしまったorz。

創ったのでアップしたが、創る途中からまた煮詰まりだす私でR。。。

16年ぶりに行ったセッション

17年前、大阪から東京出張が毎週あった時期があり、セッション武者修行してたことがある。

 

どうやって探したか記憶にないが、阿佐ヶ谷のマンハッタンに毎週のように行ってた。

当時は木曜日に20時からと25時のダブルヘッダーでセッションがあり、深夜のホストはかなり有名なミュージシャン。

 

だが平日深夜帯、参加者はかなり少なく私と有名ジャズクラブであるイントロのオーナーがなぜか参加ということが何度もあった。

イントロオーナーはドラム修行中で、音楽への入り込みかたやブラシワークは特筆すべきものがあり私は彼のドラミングが大好き。

 

「なんだお前は上手いのか?」とかづけづけ聞いてきて、ワインをご馳走してもらい、ミュージシャンともどもジャズ談義をしたのをよく覚えてる。

出張ではなぜか(笑)阿佐ヶ谷にホテルをとり、深夜セッションに最初だけ参加するつもり(1時スタートなので2時すぎまで遊んでも8時すぎに起きればよい)で行くも、イントロオーナーと盛り上がると帰るわけにもいかず、朝明るくなって店をでるようなパターンを何度もやった。

 

若かった…

 

その後東京に引っ越すことになり阿佐ヶ谷は行こうと思うと行けるが中央線沿線に住んでいないのでなかなか行きにくくなってしまう。

東京来て、あっという間に終電間際の大混雑には辟易してしまったのだ。

なので、2、3回行った程度。

 

昨日16年ぶりにマンハッタンのセッションに行ってみた。

ホストが知り合いということもあるが、帰宅のめんどくささは横に置き、えいっと。

 

マンハッタンのマスターは「すごい久しぶり~」と大歓迎してくれた。ありがたいことです。

ホスト曰く珍しいらしいが、何故か超激混みになり客10人ぐらいが適正いっぱい状態なとこに17人来店!

身動き出来ず、演奏呼ばれる度にみな立って交通整理しないとアカン状態。

 

(写真ボケてスミマセン)

 

レベル高い人が多く、なかなかいい演奏が繰り広げられた。

私は3曲参加し、普通の演奏と、かなりマズい演奏と、いい演奏をやった。

 

演奏後、客で来てたプロのこのひと上手いと思ったテナーにいっしょに演奏してくれないかと誘われた。

たまにはセッション行くと新たなつながりが出来ますね。

 

来年は少し活動領域を変えようかな。。。

マスターとそのテナーに自作CDを名刺代わりに渡しておいた。聴いて椅子からひっくり返りやがれ!(笑)