ジャズドラム解説動画で8ビート曲を解説してみる
イヴァン・リンスの名曲「ラブ・ダンス」。
これをたまに演奏する機会があるのだけど、まあ素晴らしい曲ですね。
とくにドラム的には何をするでもないのだが、コード進行から演奏していてなんともいい気分になる曲なのだ。
ジャズドラム的にあちこち反応する4ビートのような曲でもないのだが、解説を作ってみることにした。
作ってみると、それなりに解説することもあるということで、編集作業のタイムラインはそれなりに埋まった。解説動画作成は既にルーティン的になっていて、それでよいのかは常に疑問に思いながらも、まあたまに作ることにしている。
改正個人情報保護法ということもないが、お客さんは少し加工してマスクし、わからないようにした。
とにかくドラムとして何をするでもないけど演奏したい曲だということが言いたいことでした~。
いつもくだらないことを考えている
発想を豊かに、といえば聞こえがよいが、まあ普段くだらないことをいろいろ考えている。
昼の仕事でトラブルがあっても、最悪のケースから最良の展開まで常に想像するのがクセみたいなものだ。最悪のケースはもはや悲壮感通り越してもはや笑いにしかならないぐらいまで思考が及ぶw
いろいろ妄想していると、部下を含め案外と想像力の狭さを感じることは多い。もうちょっと考えたらそんなに暗くならなくて済むんじゃないの、的な。
そんなこんなで、いつもアップしているyoutubeに毎度のパターンでアップしても仕方がないと考えていると一つアイデアが浮かんだ。
それが、これ↓。
すべてロシア語で構成してみた。
グーグルさん翻訳だ。
我々人間は文字から受ける印象というのはかなりあって、読めないが雰囲気から感じるものは大きい。中学生ぐらいから外国の文字を見て、ニュースなどに接してそこから得る雰囲気が蓄積されていくのかもしれない。
見慣れた英語や、少し違うがこれも見慣れた漢字がある中国語とは違い、まったく何が書いてあるかわからない文字でも文字面から特定の印象を感じるから面白い。
2600人を超えたチャンネル登録者はほとんど日本人のハズ。この演奏は滅茶苦茶騒音系フリーなので、いきなり表われるロシア語がどう捉えられるかはわからないが、「なんじゃこれ…」と思ってもらえるとまあいいかなw
英語と違って映像中のコメントは何書いてあるか調べることも困難だからね。そもそもキーボードで打てないしw
こういうのに「いいね!」がたくさん付くと、それはそれで考えるものがあるというものであり、逆に「よくないね!」が多く付くと、これも面白いと思う。
古巣のジャズの店に帰省してきました
大阪梅田近く、西天満にある「いんたーぷれい8」は8月8日が記念日。
おかん、ことハチママがこの日が誕生日なのだ。
昭和8年8月8日生まれという、末広がりまくりの女性。女性って感じしないけど。
私はジャズに興味を持ち出した頃に、ジャズの本も読んで勉強しなければと山下洋輔さんの「ぴあにすとを笑え」を買ったのが縁だ。真面目な本と思って買った大学生時代。
後にも先にも電車で読んで、人目をはばからずに吹き出して笑ってしまったのはこの本以外にはない。
そして、この店に行きつくことになったのは自然の流れで、これもまた縁だろう。
昼の仕事の関係で東京へ出るまでは、ジャズはこの店以外はほとんと行ってなくて、大阪にいるときはここしか知らなかった。この店がジャズでは普通と思ってたら大間違いで、世界でもここにしかない貴重な場所だったのだ。
そんなこんなで、8のおかんと息子であるマスターとの付き合いが始まり、今年は8/6に山下洋輔コンサート&ハチママバースデイお祝いというイベントがあった。
どうしようかと思ったが、レポートをアップしておきました。
こういうのを40年以上前からずっとやってて、私も25年ぐらい前から毎年演奏参加している。正確に言うと、もうちょい前から8には行ってるが、演奏に参加する資格がなかったので悔しい想いをしながら観るしかなかったジャズ初心者時代があったということだ。
東京で昨年は年間100回近くジャズライブをやったが、こういう場は皆無だ。いわゆる世間一般で言う演奏技術とは違う世界がここにある。そして、その違う世界で身に付けたものはどこでもどんな演奏でも誰とでの演奏でも通用するような気がするのだ。
この動画にある世界は、めちゃくちゃなようで実は一定の理解と、ここに芯から没頭する心がないとハマらないのだ。音楽にならないというか、フリーを上っ面で真似ッ子しても、真剣に演奏経験積んだミュージシャンから見ると、それはバレバレで音楽として成立しない。
ちゃんとリズムを刻んでストレートなジャズがいくら上手くても、フリーの美しさとかっこよさとパワーと笑いが好きという感覚をもったことがなければ、演奏はハマらないのだ。
では、その面白さとは何であるか?
これを見事に的確に表現したものがある。
この絵本↓を読めば、すべてが理解できますよ。
バラードのドラムはめちゃめちゃ面白い
ジャズドラムはどうしてもミディアムテンポ以上のドラミングが注目されるし、ドラマーも速いテンポを自分の腕を見せるためにやりたがるミュージシャンも多い。
初心者のうちは、バラードはたいくつでドラム的に何もすることがないように思ってしまう。
ところが、ジャズドラムを続けていろんなジャズ音楽に精通していくと、バラードこそが自由領域の広さに気付くことになる。
ドラムによって深い味付けが出来たりすることがわかるのだ。
私はジャムセッションでドラムに回ってきたときに、バラードをやりましょう、と何度か言ってびっくりされたことがあるが、ドラム以外のジャズミュージシャンにとってもドラマーにバラードは申し訳ない、みたいな気持ちが蔓延しているのだと思う。
そんなこともあり、一つ動画を作ってみました。
少しでも、このバラードドラムの面白さがわかってくれる人が増えるといいですね。
3つ目のパターンはちょっとガシャガシャしすぎで、いまいちではあるもののw
世界で日本人が一番バップを演奏しているのでは?
バップが大好きなジャズミュージシャンは多い。
バップのスタイルは演奏していて楽しいし、何よりもジャズっぽい。
ミュンヘン在住のジャズミュージシャンと話をしてて、欧州事情はどうなの?と。
バップが演奏されることはまずない。
あったとして小さな箱で、たまに企画される。
だそうな。
ジャズというジャンルは幅広すぎてわかりにくいが、バップは一スタイルであり過去のものだ。欧州では、プロの現場でこれを繰り返す市場はまったくないということだ。過去を演奏するところに価値をおかない=ニーズもない、そういうことなんだろう。
日本人はスタイルが好きだし、何かにつけていろいろな枠にはめるのが好きなんだと思う。カテゴライズというかスタイルを分けて、そしてそれを伝統的に繰り返したくなる習性があるのかもしれない。
これは歴史的に封建制度が長く、常に例外なく身分を分けておくような社会の風習が現代まで色濃く影響しているということなのではないだろうか。ジャズのような狭い世界でもジャンルを分類して、そのジャンルにいるミュージシャンでなんとなく固まり、お客さんもジャンルを求めて若干排他的になる。「バップ以降はジャズじゃねぇよ」、みたいな言い方はよくある。
なので、これだけ毎日あちこちでバップが演奏されて、演奏する場所もあり(これはある意味すごいことだと思う)伝統をどういうわけか守っている。
間違いなく世界で最もバップを演奏しまくっているのは日本人でしょう。
たぶん我々は何かにつけて伝統芸能が大好きなのだ。
ジャズ演奏中の心理状態とフレーズ
不思議なもんで、練習したら出来るドラムフレーズが本番演奏ではよう出来ないことがある。スタジオでひょいと出来るのにライブ演奏中に、そのフレーズをやりたいと思うシーンでも出来ないのだ。20年ぐらいそういう状態のフレーズもある。
これは心理状態が練習と本番では異なり、リラックス度合いが違うからなんだろうか。
手順の練習、つまり体が動く状態と頭でそれを出そうとするのは異なるのだ。身体的には表現できるのに合奏中には出せないということは脳の何かがストッパーとなっているわけだ。
失敗するかもという怖さなのか、どんな場合にでも即座にそのフレーズを出せるようにする練習不足なのか、よくわからない。
ドラムソロになると焦るわけではないが、構成が繋がらなかったり安全なフレーズをつい出してしまったりして、自分的に心外なプレイをすることは多い。多いというかほとんどかもしれない。
頭の中でもっとドラムフレーズを歌えばマシになるんだろうか。
まあ、そう考えるとまだまだ試してみることたくさんあるし、実は知らないやり方やセオリーなんかも膨大にあるんだろう。こういうのは計画的に試していかないとアカンのかもしれないなぁ。
CDにまとめる意味
youtubeには、いろいろ動画をアップしてきて、このネット時代に今更CDにまとめる意味はないと思っていたものの、CDにまとめてみたらという助言があり作ってみた。
いつもお世話になっているトランペッターのヒロ川島氏に出来たてを渡したところ、2日後にメールが来た。
素晴らしい、車でヘビロテしてる。喝采!
と、えらいベタ褒めだった。
ヘビロテという短縮用語は初めて見たが、ヘベレケではなくヘビーローテーション(短い期間に何度も繰り返すこと。 特に、ラジオ局などが、推薦曲を繰り返し放送することをいう)ということで、まあ、たいへんありがたいことです。
川島さんは晩年チェット・ベイカーと親交があったミュージシャンで、亡くなる少し前にトランペットをもらっているぐらいジャズジャイアンツからも認められた人。美しいサウンドをメロディックに吹くことでファンも多く、トランペット製作者のモネットとも親しく、ウクレレ製作をコーディネートした際にはあのポール・スミスとコラボして…。
そう紹介していくとなんで私をバンドに誘ってくれているのかとも思うが、彼が根本的なところで好きなジャズは予定調和ではなく何が起こるかわからないところをバランスよく求めたいと思われ、多少エイッとリスクを冒すミュージシャンをサイドマンに置くところで、私なんかをまあ面白いと思っていただいているのかもしれない。
コンピューターとドラムで作った音楽はyoutubeにはたくさんアップしているが、CDにまとめたことによって川島さんには聴く機会ができたんじゃないかと思った。
そういう意味では、コンセプト決めてまとめるということはある種聴く機会がない人に音楽を届ける手段にもなるんだと、まあそんなことを感じたわけです。
やはり、何でも具体的にやってみるといろいろ発見があるもんですね。