リーマンジャズドラマーのブログ

サラリーマン兼ジャズドラマーの思うところ

何の資格ももってないのですが

昼の仕事では、日々中途社員の採用面接も実施している。
IT関連でもあるので、応募者の履歴書には華やかな資格経歴が多く載る。

応用情報技術者
ネットワークスペシャリスト
・情報セキュリティマネジメント
オラクルマスター
・システム監査
などなど。

私は受験したことすらない…。

「出世できないぞ…、」
「資格は勉強したことの証だ…、」
「申込すらしていないってどういうこと?」

若いときは散々言われてきたし、まあその通りだと思う。
同僚に、「お前、基本の資格すらもっていないのはヤバいぞ…」と言われたのは1度や2度どころではない。

ところが、である。


私は転職をしてしまったが、最初に勤めていた大手技術関連大企業で事業部長クラスまでかなり出世した奴を見ると、バブル時代にバンドやっていた2つ下の後輩2人。
時はバブル時代。一人は入社式に何を間違えたのかロンドンブーツを履いてきた奴であり、もう一人はヘビメタボーカルとギターをやって会社のイベントライブで暴れてた奴だ。

それなりのポジションになると、真面目一辺倒ではない根底での性根の強さみたいなものが問われる。
少々のことに動じないのが必要な要件になるのだ。

優秀なプレイングの若手が主任や係長になるのは資格が役立つ。
課長はまったく別の要素が必要になるため、出来る係長は課長にはなれない。
企業としては課長ポジションを試してみる配置はするが、ダメだったらそこ止まりだ。
部長はそもそも社内や社外の人的交流の厚みが必要になる。
社内人脈は学校みたいなノリで人脈増やせるが、社外はそうはいかない。
その人に魅力がないとダメであり、その魅力は何らかのアクティブな社外活動によって培われていくしかない。

「会社潰れたらどうしよう」、なんて思う奴が上位にはアサインされるわけがないのが組織論なのである。

ジャズをやっていると、やたらと人脈が出来る。
セッションに行けば仲間は増えるし、プロもセミプロもアマチュアもお客さんも人の繋がりができていく。
これはすごく大きいことで、しかも共演すると性格含めていろいろ把握できてしまうので、何かあったときにお互い助け合いが出来るような感覚になる。
企業のみで活動していたら、金の切れ目以外にも立場の切れ目が縁の切れ目ということは当たり前だ。
例えば講演会なども多い業界で目立つ人でも、実際はその会社の冠を背負ってやっているので、会社代わったとか役職定年で違う会社に移籍した途端、前と同じような振る舞いは誰も相手にしなくなるケースは多々見て来た。
冷たいとかいう話ではなく、組織の役割として活動しているので、そこから外れると意味ないのは考えればわかることだ。
これを勘違いする人間も多い。

ミュージシャンはアマチュアでも単体固有のミュージシャンだ。
固定バンドを組むジャンルではないジャズの場合はとくに個人が基本だ。
活動は個人なので、組織の役割ではない。組織のポジションとして活動するわけではない。
つまり人脈はずっと活きるわけだ。

ジャズの一つの特徴と思うのだが、ジャズ好きなお客さんはこだわりがある教養の持ち主も多いので、積極的に関わっていくとそこそこ輪は広がる。私は昼の仕事ではギャーギャーしゃべらざるを得ないこともあるので、ジャズの現場ではどちらかと言うとけっこうおとなしくひっそりしている。
でもお客さんから声がかかると、それなりにしゃべるので、しゃべると濃いなぁと思われているかもしれない。
お客さんはいろんな業界の人もいるので、観察して会話していると不思議と知見も溜まる。

企業では出世するためにせっせと異業種交流会に出かける人も多いが、ジャズクラブでライブをやっていると常に異業種交流会に参加しているように思えるのも事実だ。

お客さんの中には長年の衆議院秘書で仲良くなった方もいる。
議員会館に気軽に入れるし、永田町の中の人としての見え方もダイレクトに知ることもできる。
昼の仕事には一切利用しないけど(笑)。

またジャズはその場での臨機応変の対応力やアイデア力、仕切り力、予定調和力、よい意味での裏切り力が求められる。
昼の仕事、企業活動では日々様々な答えのない問題解決をしているようなものだ。
ジャズを演奏する上での頭のトレーニングが活きているのではないかと考えることも多い。

まあ、そんなこんなで若い時はまったく関係ないと思っていた昼の仕事とジャズミュージシャン仕事も、なんとなく関連して実は相互にかなり影響を与えているように確信していくのが面白いとこですね。


最初の話に戻すと、資格坊主でも昼の仕事で渡り歩ける方法はあるかも…、と言っておきましょう、若い企業人のみなさま!