たまにいるアマチュアのとんでもない才能あるミュージシャン
たまに会うテナーの安藤さんというおじさんがいるのだが、かなりすごい人なのだ。
相当歳とってからテナーを手にした人だったと思う。
もう定年すぎて数年経ち、ライブに遊びに来たりセッションで遭遇したり。
何がすごいかと言うと、曲を知らないけどソロが取れるのだ。
さらにコードやキーがわからないのにソロが取れるのだ。
この曲演りますので入ってください、と言うと「いやー、ちょっとわからないのですけど1コーラス聴いて入ります」とこういう感じ。で、ソロ取っちゃう。音も渋くて素晴らしい。
「アナザユー、安藤さんキーはどうします?」
「いや、ちょっとわからないのですが」
すべてこんな調子なのだ。
すごく温厚な人で、昨夜日曜セッションでお会いした。
セッションマスターが「では安藤さん」っと、例によって曲もキーもちょっとわからないと言いながらソロをとり、ラストの行き所に私はドラム叩きながら他のメンバーも「うぉっ」って唸ってしまい拍手喝采。素晴らしかったのだ。
「安藤さんって全部感覚で吹いてますでしょ。さっきのソロの後半素晴らしかった」というと、「そうなんですよ。たまにすごくうまくハマるようなところがあるのですが、ダメなときは何も出てこないんです」と。
練習しないリー・コニッツというか、天性の感覚をもった人はいるもんですねぇ。