趣味が興じて
昼の仕事の関係で、鉄道技術展なるものに行ってきた。
表の目的は取引先会社との関係で顔を出しておくことだが、裏の目的はムカイヤミノル氏に会いに行ってやろうとw
氏は完全なる実業家である。
が、音楽業界では誰もが知るカシオペアのキーボーディスト、司会屋ミノルさんである。
私が初めてコンサートというものを体験したのは高校時代。
ド田舎でドラムを始めインスト好きで耳がテクニカルに向いていき、自宅から4kmチャリこいで電車で30分行った街に1軒あった楽器やでかかっていたのがブームになったカシオペア。
そのカシオペアがなんと市制40周年で田舎町がコンサートを企画したのだった。
一番観たいバンドがどんぴしゃタイミングでド田舎の街に来ると!
あの時ほど感動したことはなく、寒イボが止まらない状態で、この体験は後にも先にもない。自分が音楽やりだしてからは純粋に音楽を聴いて寒イボは立たなくなってしまった。分析しながら聴いてしまうようなところもあるので、音楽やる人間にはよくある症状だろう。
このコンサートの感動は私の音楽活動に多大な影響を与えたのは間違いない。
それから何度もカシオペアのコンサートには行ったが、フュージョンブームも終わり、私の耳はアナログジャズに傾倒していった。
そのコンサートの出来ごとから15年ぐらい経過したときにこと。
私が趣味でCGをやっていた時代だが、今はなきドイツのカーメーカー「オペル」がCGポスターコンテストをしており、ムカイヤミノル氏が審査員の1人になっていたことがあった。
氏は鉄道好きとしても有名で、私はオペルの車と旧型の電車を並べたポスターをムカイヤミノル賞狙いで作ったら、見事に受賞した。
表彰会場でカシオペアの話をしたり、その後神戸でのカシオペア懐かしコンサートに招待してくれたりしたことがあった。
その後、氏は会社を興しパソコン用鉄道シミュレーターゲームを手掛けた。
これの出来がすごくよく、なんとゲームを超えて業務用シミュレーターまで作ることになり、今やその分野では第一人者の経営者となっているは周知の事実。
氏に活動は音楽と鉄道が合わさり、駅の発車音や鉄道博物館の音響なども手掛ける一つの文化を作っていく活動に昇華していっている。
実業と音楽才能がこれほどまでに高度に合わさるのは趣味が本業を凌駕というか、トンデモ凄い動きになっていると思うわけです。
今日は展示会場でより高度になった業務用シミュレーターで信号トラブルが起こった想定で指令室と運転手、車掌全体が臨場感ある訓練のデモをやっていて(←そこまで出来る業務シミュレーターというのがトンデモない高度なことですよ)、一番の人だかりができていた。
氏が後方で見ていたので、「お久しぶりです、20年前デザインコンテストで…」、「ああっ!今何してるの?」と名刺交換。
少し音楽の話もしようと思ったものの、完全に実業家経営者の顔だったので早々に失礼した。
社会人やりながら本当は音楽家目指したいような人は山ほどいるしたくさん知っているが、ムカイヤミノル氏は本業音楽家から趣味の鉄道分野で大きなビジネスを立ち上げたかっこうで今日の技術展ではミュージシャンの片鱗も感じないような完全ビジネスマンの趣であった。
逆だ(笑)。
会場にいたビジネスマンの多くは、もはや彼が有名ミュージシャンであることは知らないかもしれない。
カシオペアの他のメンバーはそれぞれ音楽界でライブをやったりドラムの神様と一部熱狂的信者みたいに崇められていたりしているのを音楽誌やネットで見たりするのだが、ムカイヤミノル氏は大きなビジネスの実業家としてもはや認識されているのだ。
なんだか不思議な気がした。
ファミリー向けの鉄道イベントとかにも顔を出される方なので、今度は音楽の話をしに会いにいってみようか。。。