リーマンジャズドラマーのブログ

サラリーマン兼ジャズドラマーの思うところ

他界した音楽仲間はミュージシャンの心の中で案外長く生きているかも

先月後半の話だが、ジョンアーバークロンビが亡くなった。ツイッターで知った。

 

ジャズミュージシャンには知られた人だけど、同じジャズミュージシャンでもジャズボーカリストはほぼこの人を知らない、楽器演奏者のミュージシャンズミュージシャンみたいなアーティストだったろう。

 

ジャズジャイアンツは高齢なので、どんどん鬼籍に入っていくが、私の周辺にいる音楽仲間も何人か亡くなっている。有名なミュージシャンの訃報に接するとなぜか、昔いた音楽仲間のことを思い出す。

 

ベースの前出さん

水道関係の役所仕事をやってた方で、17年前に私が大阪時代に東京出張でセッションによく寄った店にいつもいた。あまり速いウォーキングは苦手のようだったが、実に実直なベースで私は好きだった。前出さんに「あんたと演奏すると、つい張り切って疲れちゃうよ」と言われたのをよく覚えている。嬉しい言葉だ。

定年になってすぐぐらいか肺の病気だかで調子崩してると聞いたのは10年以上前だが、いつか亡くなったと聞いた。

 

ベースの小池さん

中堅の電気メーカーに勤めていた方で、20年ちょっと前に大阪のセッションでよく演奏に来てた。エレキベースでまあ小太りで面白いおじさんだった。めちゃいい加減な人に見えたが、会社では部長職で、そのせいかたまに横柄なやりとりが面白かった。東京でプロがいたセッションで、

プロ「何の曲やりたいですか?」

小池さん「なんでもよいですよ。10曲ぐらい言ってください。その中から私が出来る曲を言いますから」

なんて失礼な爆笑やりとりがあったり、酔っぱらって半分寝ながら演奏しててブルースをフロントが何度も終わりフレーズを弾いても永遠終われなかったり、まあ逸話に事欠かなかった人だ。でも憎めない性格でみなに慕われていた。

風の噂で亡くなったらしいと聞いた。もう10年は経つかしら。

 

ベースのまっちゃんさん

松本さんというプロの方でいつも骨ベース(ウッドベースの箱部分がない楽器)をもっていた。川島さんバンドに私が参加したときにいて基本寡黙な人だったのであまり盛り上がって会話したこともなかった気がする。

ただ骨ベースから出る重厚なサウンドとスピード感は凄いものがあり、演奏しながら迫力に圧倒されるような感覚はすごくよく記憶に残っている。

難病になってしまい、40代前半で亡くなってしまったのかな。

 

どういうわけかベーシストばかりではないか。

それは偶然として…、でも、共演をたくさんやったミュージシャンはサウンドとともに人柄も含めて多くのミュージシャンに記憶されているだろう。前出さんにしろ小池さんにしろ、たぶん会社の人からよりミュージシャン仲間からひょんなことから想いだされているのだと思う。

 

そう考えると会社員のビジネスの付き合いと、共演するという音楽の付き合いはいっしょに過ごす時間の差は大きく違うが、ジャズという共演仲間が多い音楽の接点はかなり人間の内面的に濃いものなのかもしれませんね。

こうやってずいぶん経つが、私に想いだされているとは知らないだろうなぁw