リーコニッツの本はジャズとは何かを考えるのに最適だった
知り合いベーシストから話を聞いて、リーコニッツの分厚い本を読んだ。
哲学者兼ジャズピアニストとの5年におよぶインタビューということで、ジャズの歴史と即興演奏とは何か、ということを子細に語られている。
ジャズをやっていると何か新しいものに挑戦しているような気がするが、長年やっていると本当に新しいことにトライしている人はほとんどいないことに気付く。
皆がやっていることはジャズジャイアンツのコピーなのだ。
みんな普通にチャーリーパーカーのコピーをしている。練習もそうだし、そのフレーズを演奏中に出すことはごく一般的だ。
これが、パーカーが生きていた時代に彼の最大の悩みであったことがあからさまに書かれている。「なぜ、みな俺の真似をして、それで商売するんだ」と。
本人の気持ちになってみろと、まで。
それだけ、すごいことをやったイノベーターだったわけだが、本人はそう見えるという視点はあまりにもなかったかもしれない。
リーコニッツは「準備された演奏」はインプロヴィゼーションではないと言う。なるほど、そうだと思う。自分が出来るかどうかは別としても、ここはずっと気になっていた部分であり自分なりに常に求めていたところでもあるので、すごく納得する部分であり、自分がどうあるべきかも少し見えたような気がする。
ジャズの本というとドラッグが、とか人生に焦点当たったのが多いが、この本は演奏内面なので演奏家はみな読むべきものでしょう。