リーマンジャズドラマーのブログ

サラリーマン兼ジャズドラマーの思うところ

音楽が様々なカテゴリーの人を繋ぐ

ドラムを始めたのは高校1年の時。

最初は全然ジャズではなく、テクノのYMOから音楽に入ったが、高校で周辺でコピーされていたバンドは甲斐バンドであり、はましょーであり、少し高度になるとTOTOであり、というロックだった。

瀬戸内海に面し、新幹線こだま停車駅から普通列車で20分、そこから4kmというド田舎だったので、そもそも高校は1つしかない状態だった。
都会と違い、そういうロケーションでは一つの高校に頭のいい奴から不良まで集まるのだ。トップは毎年東大か京大に一人入る。アホは警察沙汰で毎年数名が退学になるという状態。

今は知らないが当時は成績順で1組から8組まで並べていた。正確に言うと1~3組が理系で3組は理系でも少しダメ。4組からの文系はどんどん悲惨になり、なぜか8組は渡り廊下を渡った少し隔離された場所に位置していた。

体育の先生が常時竹刀もってウロウロしていたので崩壊するようなことはなかったが、とくに先輩学年の8組なんかは危険すぎて1~3組の人間は行ってはいけないエリアだった。

高校2年のとき、私は理系の2組。まあけっこう真面目ちゃんだったのだ。
そして3年8組の一番の不良連中がバンドで文化祭出るためにドラムを探して私に声をかけてきた。二つ返事でOKして、ブラスバンド部が手掛けていた文化祭出るためのオーディションも裏から操作してアンフェアに不良バンドを通してやった。甲斐バンドコピーバンドだ(笑)。

練習場所は3年8組だった。

みな教室で普通にタバコ吸ってて女子は厚化粧しているという、とても同じ学校とは思えない場所がそこにあった。
その先輩不良連中にからまれて殴られたクラスメイトも何人かいる状態で、あんな連中と付き合うなと散々忠告されたが、臆せずに場違いな3年8組みに毎日顔出すことに。

不良とはいえ音楽に興味をもった連中、文化祭は成功させたいし練習は真面目にやるわけだし、私が教室に行くとタバコ吸ってる奴らが「ちょっと吸うの今やめろ」とか言って気を遣うのが可愛らしい。
「別にいいですよ、タバコ」とか私も気にせずに返してた。

真面目な身なりの理系の私が不良の巣窟に毎日行くもんだから面白い。

クラスメイトが警戒する不良先輩が全員私の仲間になってしまったのだ。髪を油でまとめた強面連中が全校集会とかで私にニコニコして「やあやあ」と寄ってくる。周りはビビる。
理系の人達は不良に警戒しながら学校生活をしていたのだが、私は番長連中の後ろ盾ができてしまい妙な感じだったのである。

文化祭はみな緊張したけど体育館でのライブは大盛り上がりで不良を取り締まる先生連中も見守ってくれた感がある。
普通だと絶対に交らないようなカテゴリーの先輩後輩がロックバンドで一緒の目標に向かって繋がる体験をしたのは案外と大きな出来ごとだったのかもしれない、今思うと。

今住んでいるエリアは中学お受験も盛んなところで、道を隔てると学力高いと言われる小中学校エリアだ。

なんやかんやと理由つけて越境させる親も多いし、うちのガキが通うエリアの中学は「ちょっとあそこは…」、と何度かそれとなしに言われたこともある。何より校区が異なることでマンションの値段が500万円違うから、無理して越境させる人の気持ちもわからなくもない。

…が、私は迷わず逆に越境してでも不良がいるところに行けと子供らを悪いと言われるエリア(今はかなり真面目で荒れたりはしてないけど)に通わせた。

 

粒揃いより、いろんな奴が交る方が何かと得るものはあるハズだから。。。