なにがジャズたらしめるのか、その2
ピアノとウッドベースとドラム、いわゆるアコースティックのピアノトリオサウンドはジャズサウンドの基本だ。しっくりくる、というか、まあとにかく絡みが心地よいのだ。
1つのキーに3本の弦が張ってあるピアノは倍音を含む重圧な音が出る。
ウッドベースはふくよかな暖かい音でいろいろなものを包み込むようなサウンドだ。
この2つの組み合わせに、アタック音のドラムが組み合わさると、なんともバランスがよいというものなんだろう。
同じコード楽器でもギターの場合、ピアノほどアタック音は出ないし、丸みをもつので、ギタートリオの場合ドラムはピアノの役割の一部を担う感じで入れていく必要がある。
そのピアノトリオサウンドでジャズはそれぞれが出す音に対しての呼応をして、音楽を作る。
ウッドベースがウォーキングベースで土台を作り、ピアノが自由にその上を舞うようにアドリブをする。そこにドラムのアタック音がアシストする。
これが基本だとすると、曲とかテーマとかメロディとかなしでもジャズは成立するハズなのだ。
ただし、それぞれの楽器が呼応するような感じでないとジャズ的に聴こえない。呼応はインタープレイというやつだ。
ということで、ウォーキングベース上でピアノめちゃめちゃ弾きをしたものにドラムを付けて、どうジャズとして聴こえるかを詳細解説する動画を作ってみた。ベースラインはその上に何が来ても問題ないモード進行である。
それなりにジャズ的に聴こえるでしょ?(笑)
これも半分錯覚のようなもので、ジャズという音楽が人々の耳にそれなりに入り(蕎麦屋でも銭湯でもBGMとしてかかってますからねぇ)、なんとなくのイメージが出来ていき、それに対してこういうかなりてきとーに作ったサウンドでもジャズっぽく感じるわけです。
きちっとトラディショナルなジャズを演奏する人からはデタラメに聴こえるでしょうが、フリージャズ寄りの人からは、こういうのもないわけではないと聴こえるでしょう。