ジャズをやり始めのときと、今の感覚の違い
私は社会人になった年の夏に「すいません、ジャズ演奏したいんですけど」とジャムセッションやってる店の門戸を叩いた。
「ジャズ研?」
「いえ、そういうのは。フュージョンとかやってましたが」
「わかった。ちょっと待って…。 あ、すいません~、今日はちょっと早いんですが営業終了しますんで」
え、人払い?
残ったのはピアニストのマスターと私と居合わせた常連のベーシストだった。
そこで店のドラムをセッティングし、トリオで演奏した。
「手足は動くけどジャズは全然アカンな」
そんなこんなでジャズをやりだしたときはセッションではとにかく全て自分が叩きたかったし、いろんな演奏者と演奏したくてしたくて、という状態だった。昼の仕事はシステムエンジニアで、昨今の働き方改革なんてなんじゃそれ、というぐらい徹夜もしょっちゅう土日はどっちか出社は普通という生活でジャズのセッションに通っていた。
面白くてしょうがないのだ。メンバーや店の人からは全然アカンと罵倒されるわけだが、とにかく上手くなりたいの一心でサラリーマン激務の間隙ちょっとの時間でセッションに行く、みたいな。
年に数回、山下洋輔さんがライブする店だったので打ち上げセッションで初めて共演できたときには感謝感激甚だしい、まあそういう感じだったわけです。
それから25年以上経過し、昨年も同様の打ち上げセッションで共演させていただいたが、そういう感激みたいなものはホントなくなってしまった。ここ10年ぐらいだとライブに小曽根真さんが乱入したり、ケイ赤城さんが乱入したり、ツアー中のハロルドダンコさんが数曲入ったりとジャズならではのひょんな共演もあったのだが、「やったー、めっちゃ嬉しい」みたいなものはなくなってしまっている。
何が欠けてしまったんだろうか。。。