リーマンジャズドラマーのブログ

サラリーマン兼ジャズドラマーの思うところ

トラの連絡ミスがアンジャッシュ的なやりとりに

ベーシスト横山裕氏は素晴らしい音色を出すので、あちこちで引っ張りだこだ。

気さくな方で、病院先生Dr.Kのピアニストバンドにも参加していただいている。引っ張りだこゆえに、ライブを欠席せざるを得ないときも多く、トラを頼むケースがちょこちょこある。

バンマスがトラ手配するのが一般的でもあるが、人がいいので横山さん自身が探すこともよくあった。トラというのは代理ミュージシャン、助っ人の業界用語。

 

あるとき、横山さんが自分でトラ連絡するから知り合いベーシストの電話番号とメアドを教えてください、とDr.Kに頼んだ。Dr.Kは当時ガラケーの連絡帳で段を間違えて、つまり違った人の連絡先を横山さんに教えてしまった。

この間違え先が草野さんというアマチュアトランペッターだった。ちょうどその頃、草野さんは少し歯を悪くして、トランペットが吹きにくいのでウッドベースを練習し出した時期だった。私もどこからかその噂を耳にしていた。草野さんは横山さんのことは知っているが、直接の面識はない状態。

 

後日、横山さんが誤った連絡先の草野さんに「はじめまして、ベースの横山といいます。来月のジャズバードでトラをお願いできないでしょうか」とメールした。

返信は「申し訳ないけど、私の技量はそこまで達してなく、たいへんありがたいお話だけどもそれなりにジャズを聴く人が集うジャズライブハウスのステージにて演奏するのは時期尚早であり、たいへん光栄なお誘いではあるが演奏はお受けできない」と。

丁寧に電話でも説明があったらしい。

「いやいやそんな難しい譜面を演奏するバンドではありませんよ」

「スケジュールが詰まってるわけではないが、申し訳ない、引き受けれない」

「スタンダート中心ですが」

「スタンダードは多々よく知っているが今回の演奏は出来ない」

 

他のブッキングがありとかならわかるが、どういうこっちゃと横山さんは「?」マーク。

しかもフロントはサラリーマンミュージシャンのDr.Kだし。。。

 

それで教えた先の間違いが発覚したのだが、まあ大爆笑の偶然だった。

草野さんはベースを練習し出した瞬間、皆が知ってるプロベーシストからいきなりベースでのトラ依頼が来たわけなので、混乱したでしょうね。この事実を草野さんに伝えるべきか否かをバンマスはかなり悩んでいたが、彼は未だに知らないかも。。。