リーマンジャズドラマーのブログ

サラリーマン兼ジャズドラマーの思うところ

ミュージシャンは必ずしもアーティストではない

音楽やってると、たまにアーティストなんて紹介されたりするが、サラリーマンもやっているので違和感はある。というか、サラリーマンは関係なくて、アーティストの定義があまりにも曖昧に使われているというのが本当のところだろう。

 

芸術家?

アーティスト?

 

自分で名乗る人は十中八九怪しいかもしれない。

芸術、アートは単に音楽や絵画などの表現をさすものではない。新しい解釈を提示しようとしているか、社会の課題に対してこれはどうだと表現として表しているか、そこに美の解釈を埋め込もうとしているか、というところではないだろうか。

ジャズで言うと、1960年代の一時期の演奏形態を真似て、素晴らしく演奏したとして、それはアートではない。伝統芸能のトレースだ。

 

プロミュージシャンはアーティストか、と言えばプロかどうかとアートかどうかは軸が異なる話なので関係ない。職業ミュージシャンはアーティストではない。趣味的に音楽を楽しむ人でも新しい表現を試みる人はアーティストと言える。

自分で言うのではなく、その表現を解釈した人がその人を見て新しい表現だと言えば、言った人から見てその人は確固たるアーティストだろう。ただし、見た人が知識不足であり、同じ表現形態がどこかで提示されていると、世間的にはアーティストとはならない。

 

なので、「本日の出演アーティスト」とか安易に使うケースは雰囲気だけで使っているわけであり、演奏者もそういうのに慣れてしまい「私はアーティスト」と言ってしまうのはすごくカッコ悪いことなのである。

まあ言葉の意味はどんどん使われ方によって変化するので、人の真似をしようが表現をする人のことを「アーティスト」ってことになりつつあるのかもしれないが。