リーマンジャズドラマーのブログ

サラリーマン兼ジャズドラマーの思うところ

ジャムセッションに行ってバーテンダーとなる

何年も前の話だけど、いっしょに演っているプロメンバーがジャズバードでセッションを開催することとなった。
日曜夜なので通常営業ではなく、予めおいてあるワインなど、限られた種類のドリンク類とピーナッツ類のみ出して参加者から楽器演る人と聴く専門の人別でチャージを徴収するという仕組みだった。バーテンダーもいないので、いつもオーナーのミヨさんと常連お客さんがキャッシュオンで飲み物を出すという役割で運営されていた。
ある日、開始時間ちょうどに遊びに行くと、ミヨさんが困った困った急遽出かけなきゃいけなくなったと言う。どうせミュージシャンしか来ないし、私がバーテンダーというか飲み物出す係をやりますよ、ということでミヨさんを帰し、ホストミュージシャンと運営することになった。

卒なく1時間経過したとき、ドヤドヤと明らかに演奏者ではないお客さんが入ってきた。

 

「営業してないの?」

「営業してますが、通常営業と違いまして、演奏する人が集まるジャムセッションというのをやってます」

「いいじゃん、飲めるんでしょ」

「フードとかありません。お酒もこのメニューしかありません」

 

おもいっきり断りモードでお伝えしたものの、「飲み物だけでいいから頼む」と言われ、なんと25人ほどが強引に入店してきた。
私はミュージシャンやってるときは、あまり自己主張してたりテキパキ動いたりしないんだけど、こうなると話は違う。ジャムセッションのホストリーダーと特別チャージ料金を決めて「さあ、酒たくさん出すぞぉ」って昼の仕事で得意になった段取りを始めてすべてのお客さんを捌いていった。

 

「赤ワイン」、「ロックダブルで」、「1つ水割りにして」、「生3つ」、「なんか乾きものでいいからないの?」、「炭酸で割ってくれない?」
 

慣れないのでちょいとクレームみたいになることもあったが、そこもニコニコしながら上手く場を収めて対応した。私は演奏に参加することはできなくなかったものの、その急場の忙しい仕事はそれなり面白くてお客さんにたくさん飲んでもらうことに成功し、ある種の達成感を感じていた。


セッションはチャージを店とホストバンドのギャラでシェアするという仕組みなので、大人数の団体はホストミュージシャンにとって予定外のうれしいギャラとなった。
「あんな大量の客をスムーズにさばくとは思わなかった、めちゃ助かった」とホストミュージシャンに言われたが、サラリーマンとしての段取り能力を出しただけの話。昼の仕事でトロトロやってたら話になりませんもんね。
私はいらないと言ったのに、ミュージシャン取り分ギャラからバーテンダーとしてのギャラを分けてくれた。