リーマンジャズドラマーのブログ

サラリーマン兼ジャズドラマーの思うところ

ミュージシャン職業的ライブ仕事とボランティアライブ、どちらが音楽的か?

サラリーマン兼ミュージシャンの最大の利点は、ギャラを問わずに好きなライブをひょいひょい引き受けることが出来るということが言える。プロミュージシャンは大御所は別として、基本的に投げ銭やノーギャラはキツいものがあるし、超えてはならない一線としている方も多い。

BGM仕事として決まった時間にきちきちと演奏をこなす職業的プロミュージシャン仕事とマチュアで演奏できる場所があるから面白そうだからライブやろう、というのは同じライブでもかなり様相が異なる。

前者はギャラがしっかり出るし、後者は趣味領域になるから駐車場代も負担したりして持ち出しとなる。

 

ところが聴衆の反応とライブの本質面から見ると逆転現象が起こるケースが多い。

 

BGM仕事はまれに好きな人がわーわー声援を送ってくれるが基本はBGM。一切拍手すらない場合も多い。BGMなので誰に向けて演奏するというのもなく、暖簾に腕押しみたいな感覚が否めない。

ジャズクラブでのライブ演奏は一般的に集客がたいへんで、たまたま来店する一見さん的お客さんも極めて少ないのが現状。

 

ジャズの店でもない空間でボランティアライブをやると、そこでライブが行われることすら知らない人たちが「いいね」とすごく聴いてくれて、すごく盛り上がることがある。

ライブとしては、こちらの方が完全に本質的だったりする。

 

ひょんなことからキャロットタワーの世田谷区民展望スペースで定期的に演奏している。ドラム持ち込み、ノーギャラ、まかない付き(←これかなり嬉しい)という条件だが、展望を目的に足を運ぶ多くの人に演奏を聴いてもらうことができる。

条件からプロミュージシャンではなくアマチュア軍団で演奏するわけだが、聴衆の反応はダイレクトであり、うまくいくと50人ぐらいの居合わせた方々で一体感を醸し出せることもある。

 

↑ここは区民広場続きの飲み物と簡単な食事を出せるカウンターが左にあり、チャージはないので誰でも気軽に入れる場所となっている。後方の展望スペースとは仕切りもなく繋がっているので、音はフロア全体に響く。

区が管理している場所なので店は指定管理者が入って運営しているが、ライブでの集客効果は相当売上アップに貢献しているとも聞いた。販促費なんかで処理してミュージシャンにギャラを払えるとよいのだろうが、行政における指定管理者制度の契約だとそんなややこしいことはとても無理だろう。

ブッキングマネジメントも簡単にできないだろうし、同様に指定管理で入っている企業がブッキングマネージャーや音楽事務所に仕事を依頼することも契約的に難しいだろうから、これは構造的な問題とも言える。

結果、アマチュアミュージシャンが素敵な場所でボランティアライブし、うまくライブ演奏を構成していけば多くのお客さんを惹きつけるということがおこる。

 

箱モノにお金は出すが、文化(とくに人)にお金を出しにくい日本の社会構造の縮図なのかもしれない。