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リーマンジャズドラマーのブログ

サラリーマン兼ジャズドラマーの思うところ

プロミュージシャンに向く人、向かない人

私は社会人サラリーマンになってからジャズドラムを始めたので、大学のジャズ研とかはまったく無縁だった。ジャズ研からプロになる人が近くにいたわけでもないので、プロはベールに包まれた憧れもある遠い世界だったのだ。

大阪の老舗ジャズ喫茶の「いんたーぷれい8」で、ジャズやりたいんですが、とセッションに行くようになり2、3年、あるときそこに渡辺香津美さんが座ってたのだ。まだ隣に関西テレビがあったとき、「夢の乱入者」という関西ローカル音楽番組のメインホストをされており、何度か来店された。

当時、土曜日がアマチュアジャムセッションの日で、その日は集まったメンバー全員が色めき立った。世界に名だたるミュージシャンがそこにいて、万が一参加してくれたら共演できるではないか、と心躍るわけだ。

とにかくセッションが始まった。ギタリストが3人ぐらいいたので、ギター+ピアノのカルテットで渡辺香津美さんがお客さん何人かのうちの一人としている状態。

セッション1曲目が終わったとき、渡辺香津美さんがツカツカとやってきて「悪いけど1曲演らせてもらえない?」と…。ボクタチノヘタクソエンソウニハイッテクレルノデスカ?

なんとサービス精神ある腰の低いお方なのか、と思って演奏が始まると、1曲目にやったギタリストの癖フレーズからどんどん発展させてソロをとっていく。凄いな…。

大御所がアマチュア喜ぶ大サービスで1曲付き合っていただき「楽しかった、君たち頑張りなさい」と降りると思いきや、結局渡辺香津美さんはそのメンバーで3曲ほど演奏し、我々メンバーは「ありがとうございました~」の感激状態。

で、メンバーチェンジして違うギターカルテットになり1曲終わったとき、渡辺香津美さんがツカツカとやってきて「悪いけど1曲演らせてもらえない?」と。またも変わる前のギタリストの癖からフレーズを大発展させていき、連続3曲ほどをセッション。

そうか…、3度の飯よりなんとかってのはこのことを言うのか…。

演奏で飯を食うみたいな、なんとなしの憧れではなく、どんな状態であろうと、どんなメンバー構成であろうと、つまり楽器を弾いていれば楽しくて仕方ないと見受けられるのだ。アマチュアセッションにサービスとして入るなんてものではなく、芯から演奏したいのだこの人は。

果たして自分は…。

練習しても飽きるし、同じメンバーで繰り返すと煮詰まって嫌になるし、プロミュージシャンという職業への憧れをよく自分の性格や趣向に照らし合わせると、どうなんだろうか。それが自分に心地よい状態や精神的に高ぶる状態を維持できるとはとても思えない、ということをすごく考えさせられた出来ごとだった。

あれから30年近く経過していろんなミュージシャンを見たり共演したりしてきたが、「何をおいても好きで好きでたまらん人」、「自分がやりたい確固たる表現がありそこに向かう強烈な意志がある人」、は音楽でも何でもその道のプロを目指して全然OK。

それ以外は、考え直した方がよいと思われる、というのが私の結論です。