リーマンジャズドラマーのブログ

サラリーマン兼ジャズドラマーの思うところ

テクノロジーの進化と音楽

テクノロジーが進化すると、音楽から何から見え方も変われば表現も新しい考え方ができる。

ネットの時代となると今までの常識の前提が変わってしまうわけです。

デジタル=コピーという見方がある。劣化しないからねぇ。コピーが簡単ということはシェアも簡単ということ。youtubeにはあまたコピー(音源張り付け)が氾濫し、必要な音楽の多くがここで探せてしまうのは皆さんご存知で利用しているとおり。

正直私も音楽何で聴いてるかといえばyoutube。音なんか圧縮されているMP3なのに。。。

ということを考えていると、デジタルのコピーやシェアという概念を使ってジャズ表現をやってみたくなり、作ってみたのがこれです。

デジタルのコピーの次にあるのが、元のものを利用して発展させるリミックス。

この演奏はキースジャレットのソロフレーズをコンピューターに打ち込みコピーしているのだけど、そのまま再生するのではなくシーケンサーで前後にあちこち飛ばしたものにドラムを付けてみたもの。つまり、大元は人のピアノソロ、それの構成変更というリミックス。

「けしからん!」、「冒涜しとる」、「完全なる著作権違反」という方もいるかもしれない。いや、けっこういるでしょう。ジャズミュージシャンには多いかもw

(ジャズミュージシャンは案外保守的だからなぁ)

でもジャズミュージシャンはチャーリーパーカーのバップフレーズやスケール練習を散々したりして、それをストックフレーズとしてライブのソロ中にはめ込むようなことはごく一般的だよね。

これってコピーとリミックスと言いかえることができるのではないかしら?

リーコニッツみたいに、ストックフレーズを一切出さない方針で挑む人は別だけど。

著作権もソロフレーズは該当するとかしないとか、結局解釈の話であってフレーズ単位に短く考えるとどこから著作権が発生するのかはわからないのです。筒井康隆の小節に「あなた、愛してるわ」というくだりが俺が書いた著作物とかぶってて著作権違反だと大騒ぎする話があって大いに笑った記憶があるが、音符の繋がりも同じだよね。

こう考えていくとこのデジタル時代、コピー、シェア、リミックスが普通のことであるところに著作権って何なんだろうか、となってしまう。人類共通の共有財産で誰でも何でも使ってよい、というのがわかりやすい在り方かもしれない。最初に作った人、リミックスしたものを使う人とかの金銭的補償の話は別として。ニコ動とか、まさにこういう考え方を入れてますよね。

音源も超高級機材で音階毎に録音されたピアノやウッドベース音をデジタルで再生させる(ミクロ的意味でこれもリミックスだよね)と、生演奏の録音とは何だろうか、ということになる。これがテクノロジーの進化で以前できなかったことが出来るようになったものの一例だろう。

そう思って他ジャンルを見ると、クラブミュージックやヒップホップみたいなジャンルは多種多様な音源やリミックスなどは普通にテクノロジーの進化に沿って取り入れていることに気付く。若者はそこに耳がいくよね。だって今の時代のにおいであるわけだから。