リーマンジャズドラマーのブログ

サラリーマン兼ジャズドラマーの思うところ

バラードのドラムはめちゃめちゃ面白い

ジャズドラムはどうしてもミディアムテンポ以上のドラミングが注目されるし、ドラマーも速いテンポを自分の腕を見せるためにやりたがるミュージシャンも多い。

初心者のうちは、バラードはたいくつでドラム的に何もすることがないように思ってしまう。

 

ところが、ジャズドラムを続けていろんなジャズ音楽に精通していくと、バラードこそが自由領域の広さに気付くことになる。

ドラムによって深い味付けが出来たりすることがわかるのだ。

 

私はジャムセッションでドラムに回ってきたときに、バラードをやりましょう、と何度か言ってびっくりされたことがあるが、ドラム以外のジャズミュージシャンにとってもドラマーにバラードは申し訳ない、みたいな気持ちが蔓延しているのだと思う。

 

そんなこともあり、一つ動画を作ってみました。

 

 

少しでも、このバラードドラムの面白さがわかってくれる人が増えるといいですね。

3つ目のパターンはちょっとガシャガシャしすぎで、いまいちではあるもののw

世界で日本人が一番バップを演奏しているのでは?

バップが大好きなジャズミュージシャンは多い。

バップのスタイルは演奏していて楽しいし、何よりもジャズっぽい。

 

ミュンヘン在住のジャズミュージシャンと話をしてて、欧州事情はどうなの?と。

 

バップが演奏されることはまずない。

あったとして小さな箱で、たまに企画される。

 

だそうな。

ジャズというジャンルは幅広すぎてわかりにくいが、バップは一スタイルであり過去のものだ。欧州では、プロの現場でこれを繰り返す市場はまったくないということだ。過去を演奏するところに価値をおかない=ニーズもない、そういうことなんだろう。

 

日本人はスタイルが好きだし、何かにつけていろいろな枠にはめるのが好きなんだと思う。カテゴライズというかスタイルを分けて、そしてそれを伝統的に繰り返したくなる習性があるのかもしれない。

これは歴史的に封建制度が長く、常に例外なく身分を分けておくような社会の風習が現代まで色濃く影響しているということなのではないだろうか。ジャズのような狭い世界でもジャンルを分類して、そのジャンルにいるミュージシャンでなんとなく固まり、お客さんもジャンルを求めて若干排他的になる。「バップ以降はジャズじゃねぇよ」、みたいな言い方はよくある。

 

なので、これだけ毎日あちこちでバップが演奏されて、演奏する場所もあり(これはある意味すごいことだと思う)伝統をどういうわけか守っている。

 

間違いなく世界で最もバップを演奏しまくっているのは日本人でしょう。

たぶん我々は何かにつけて伝統芸能が大好きなのだ。

ジャズ演奏中の心理状態とフレーズ

不思議なもんで、練習したら出来るドラムフレーズが本番演奏ではよう出来ないことがある。スタジオでひょいと出来るのにライブ演奏中に、そのフレーズをやりたいと思うシーンでも出来ないのだ。20年ぐらいそういう状態のフレーズもある。

 

これは心理状態が練習と本番では異なり、リラックス度合いが違うからなんだろうか。

 

手順の練習、つまり体が動く状態と頭でそれを出そうとするのは異なるのだ。身体的には表現できるのに合奏中には出せないということは脳の何かがストッパーとなっているわけだ。

失敗するかもという怖さなのか、どんな場合にでも即座にそのフレーズを出せるようにする練習不足なのか、よくわからない。

 

ドラムソロになると焦るわけではないが、構成が繋がらなかったり安全なフレーズをつい出してしまったりして、自分的に心外なプレイをすることは多い。多いというかほとんどかもしれない。

頭の中でもっとドラムフレーズを歌えばマシになるんだろうか。

 

まあ、そう考えるとまだまだ試してみることたくさんあるし、実は知らないやり方やセオリーなんかも膨大にあるんだろう。こういうのは計画的に試していかないとアカンのかもしれないなぁ。

CDにまとめる意味

youtubeには、いろいろ動画をアップしてきて、このネット時代に今更CDにまとめる意味はないと思っていたものの、CDにまとめてみたらという助言があり作ってみた。

 

いつもお世話になっているトランペッターのヒロ川島氏に出来たてを渡したところ、2日後にメールが来た。

 

素晴らしい、車でヘビロテしてる。喝采!

 

と、えらいベタ褒めだった。

ヘビロテという短縮用語は初めて見たが、ヘベレケではなくヘビーローテーション(短い期間に何度も繰り返すこと。 特に、ラジオ局などが、推薦曲を繰り返し放送することをいう)ということで、まあ、たいへんありがたいことです。

 

川島さんは晩年チェット・ベイカーと親交があったミュージシャンで、亡くなる少し前にトランペットをもらっているぐらいジャズジャイアンツからも認められた人。美しいサウンドをメロディックに吹くことでファンも多く、トランペット製作者のモネットとも親しく、ウクレレ製作をコーディネートした際にはあのポール・スミスとコラボして…。

そう紹介していくとなんで私をバンドに誘ってくれているのかとも思うが、彼が根本的なところで好きなジャズは予定調和ではなく何が起こるかわからないところをバランスよく求めたいと思われ、多少エイッとリスクを冒すミュージシャンをサイドマンに置くところで、私なんかをまあ面白いと思っていただいているのかもしれない。

 

コンピューターとドラムで作った音楽はyoutubeにはたくさんアップしているが、CDにまとめたことによって川島さんには聴く機会ができたんじゃないかと思った。

そういう意味では、コンセプト決めてまとめるということはある種聴く機会がない人に音楽を届ける手段にもなるんだと、まあそんなことを感じたわけです。

 

やはり、何でも具体的にやってみるといろいろ発見があるもんですね。

たまにいるアマチュアのとんでもない才能あるミュージシャン

たまに会うテナーの安藤さんというおじさんがいるのだが、かなりすごい人なのだ。

相当歳とってからテナーを手にした人だったと思う。

もう定年すぎて数年経ち、ライブに遊びに来たりセッションで遭遇したり。

 

何がすごいかと言うと、曲を知らないけどソロが取れるのだ。

さらにコードやキーがわからないのにソロが取れるのだ。

 

この曲演りますので入ってください、と言うと「いやー、ちょっとわからないのですけど1コーラス聴いて入ります」とこういう感じ。で、ソロ取っちゃう。音も渋くて素晴らしい。

 

「アナザユー、安藤さんキーはどうします?」

「いや、ちょっとわからないのですが」

 

すべてこんな調子なのだ。

 

すごく温厚な人で、昨夜日曜セッションでお会いした。

セッションマスターが「では安藤さん」っと、例によって曲もキーもちょっとわからないと言いながらソロをとり、ラストの行き所に私はドラム叩きながら他のメンバーも「うぉっ」って唸ってしまい拍手喝采。素晴らしかったのだ。

 

「安藤さんって全部感覚で吹いてますでしょ。さっきのソロの後半素晴らしかった」というと、「そうなんですよ。たまにすごくうまくハマるようなところがあるのですが、ダメなときは何も出てこないんです」と。

 

練習しないリー・コニッツというか、天性の感覚をもった人はいるもんですねぇ。

日本の楽器練習教育はあちこち間違っているような気がする

幼稚園の頃、ちょっとだけエレクトーンを習っていた。ほとんど何も覚えてないが、先生が「手は卵を握るような感じで」と常々言ってたことだけは記憶にある。

ピアノ教室なんかでも鍵盤への手の置き方を指導していると思う。ドラムを初めてから、唯一頼りにしていた情報誌「ドラムマガジン」は初心者向けにスティックの握り方や脇の締め方などのやり方を繰り返し掲載していたように思う。

 

脇締めて!

 

スティックは親指と人差し指で支えて~

 

これが見事に間違いであったことに気付いたのはドラムを初めて30年も経過したときだったのだ。おかしいな、と思うチャンスは25年前にあった。

当時ジャック・デ・ジョネットの初の教則ビデオ(まだDVDがない時代)を入手して観たときに最初に解説してたのが脇を開けてオープンに、ということだったのだ。

 

日本人って体育なんかもそうだけど、身体を閉めてきちっとぎゅっとして気合を入れるのが基本みたいなものがあるけど、軍隊の規律行動じゃないんだから違うよね。

ドラムの場合、このノリで叩くと肘や手首はちょうつがい的なものと動きを解釈する。ではないのだ。身体の動きはすべて捻りで構成されている。回転運動を加えないと不自然であり、様々なところに無理な状態の負荷がかかっていることになる。

 

あー、これを20代ぐらいのときに気付いておけば、というのはアフターフェスティバル。

そう、後の祭りなのだ。

 

そう思って海外の昔の人含めて大御所ドラマーをyoutubeで観察すると、誰も親指と人差し指でスティックなんか握っておらんではないか。

野球でも大リーグのバッターのかまえが個人個人バラバラなのに対して、日本人はかなり揃っている。同じようなことが起きているように思う。

 

バークリーなんかでは、最近だと音楽家の身体の使い方なんかも学ぶと思うけど、このあたりは過去のこうしなければダメですよ日本的教育から頭を切り離さないとダメなんだろうね。

 

30年も楽器やってて直すのは簡単ではないが、常々意識だけはしておこう。

ということで、たまにこの本をチェック↓することにする。

 

初めてCDを販売してみたところ、4枚売れました

作ったCDを売ろう、ということでyoutubeにはプロモ動画をアップ。

 

 

youtubeでちょこちょこコメントいただける方から郵送してほしいとあったので、本日郵送。これが販売第一号。

あと、今日はライブだったので終了後にミュージシャン仲間に「変態CD作ったんだけど買わない?」と押し売りしてみることに。

 

コンピューターと一人でやったってこと?

→ジャズマンはコンピューターに疎いので「へっ?」って興味もつみたい。

 

すごいじゃんこのジャケット、美しい。

→そう見えるんだ…。ジャズにはないジャケットだけど。

 

1000円なの? 買う買う。私も買う。(3枚売れた)

→2000円とかと違ってみなさん躊躇しないね。

 

なにこのキースジャレッティングってやつ?

→興味そそられるんだ、こういう曲名入れるのって大切かも。

 

名刺代わりに作ったようなところもあるけど、値段とジャケット見て内容を通常のジャズCDとかではないアプローチのことを話をすると案外買ってくれるような気がしてきた。

聴いてもらって笑ってもらえたり考えてもらえたりするといいけど、フィードバックもらえたらそれを元にまた積極的に声をかけて売ることにしよう。

 

営業マンみたいになってきたぞ… ソレデイイノカ…